異世界[恋愛]

糸

 それは美しい男だった、人形のように一切の表情のない精巧な顔の、どこか恐ろしい雰囲気の。
 その男の声を耳にした瞬間、『ああ、これは駄目だ』と思った。
 あの声で、あの顔で、あの表情で何かを言われたら、自分は逆らうことができない。
 直感的にそう思った。
 その男にこれ以上関わってはいけないと本能が叫んでいた、理性はあんな美しく強い男がこんな凡人に関わるわけがなかろうと呆れかえっていた。
 理性が呆れる通りに、関わらない未来が普通で、当然のことだった。
 はずだった。

R15 / 女主人公 / 恋愛
短編 2020/01/14 00:16更新
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最終取得日時:2026/10/15 02:04
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