現実世界[恋愛]

カツ丼、食うか?

「カツ丼、食うか?」

俯く女と机を挟んでいる大柄な男が尋ねる。
何も言わず女が頷くと、男は部屋から去っていく。
そして、一人残された女は、悲しそうに目じりを拭った。
暫くすると、男が戻ってくる。
手にはお盆。その上には、カツ丼。
机の上に置かれたカツ丼に女は喉をごくりと鳴らす。

「食え、そしたら、洗いざらい喋ってもらうからな」
「いただきます……」

女は箸を手に取り、丼を持ち上げると一心不乱に食べ始め、

「うう~! 翔ちゃ~ん!」
「全部喋っちまえ! なんだ! どんな辛いことがあった!?」
「好きな人が! 振り向いてくれない~!!!」

カツ丼食って、喋るだけの話。

R15 / ラブコメ / 日常 / 青春 / ほのぼの / 現代
短編 2021/10/03 14:24更新
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最終取得日時:2024/05/18 01:15
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