異世界[恋愛]

その「円満な婚約解消」に、私は出席しておりません

 王太子カシアンとの婚約解消が、「円満な別れ」として華々しく発表された。

 長年の婚約者であるアウレリアも式典に出席し、王太子とその恋人ネリネを祝福したという。さらに、婚約解消に伴う補償まで自ら辞退したことになっていた。

 だが、その夜、アウレリアは王都から遠く離れた侯爵領で、病に倒れた祖母に付き添っていた。

 婚約に未練はない。王太子が別の女性を愛しているのなら、解消にも応じるつもりだった。

 それでも――言っていない言葉を、言ったことにはさせない。

 父の協力を得て正式な異議を申し立てたアウレリアは、国王府の実務官ユベールとともに、式典の入館記録、閉ざされた控室、偽造された声明を調べていく。

 一方、王太子の恋人ネリネもまた、アウレリアが書いたとされる偽の手紙を渡され、自分に都合のよい言葉を用意されていたことを知る。

 やがて開かれた王宮査問委員会。

 自分は皆の名誉を守ったのだと言い張る王太子に、アウレリアは静かに告げる。

「その『円満な婚約解消』に、私は出席しておりません」

 これは、婚約者を取り戻す物語ではない。

 奪われた自分の言葉と人生を、自らの手に取り戻す侯爵令嬢の逆転劇。

女主人公 / 異世界恋愛 / 婚約解消 / 婚約破棄 / ざまぁ / ハッピーエンド
短編 2026/07/17 07:00更新
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最終取得日時:2026/09/03 12:08
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