異世界[恋愛]
欲しがりな私が本当に欲しい、ただ一つだけのもの
『ベティです。よろしくお願いします』
平民には下の名前が無い。自分の名前を言うだけの簡単な自己紹介をすると、彼女は完全無欠な笑みを浮かべ、薄い色素のしなやかな腕を私に差し伸ばした。
『デビーでいいわ。これからよろしくお願いしますね』
その奇跡のような見た目に私は嫉妬を通り越して感動すら覚えた。
そしてその日を境に私を取り巻く環境は激変した。新しい家の半分血のつながったお姉さまがくれたクマさんは、私の生涯の宝物となった。
やがてお姉様は王太子と婚約し、次々と政策を打ち出した事で賢妃と呼ばれ、王国は最盛期を迎えた。しかし私の長年抱いていた懸念が、悪夢が、徐々に輪郭を帯び始めて現実世界に顕現し始めたのは、まもなくのことだった。
『お前たちは今すぐ帝国に亡命する準備を始めろ。わしは……わしも連座で首が飛ぶかもしれん……その前にまずはお前たちだけでも逃げるんだ!!』
『待って、どういう事? 亡命?? 何を言って――』
そして私が絶望に打ちひしがれていたところに、更に追い打ちをかけられることとなった。
『死んでしまえ!』『この野郎!』
『アンタさえいなければ!』『恥を知れ!!』
どうして。
なんで。
『火を放て!』
そして燃え上がるような恋慕が私の身を焼く。ああ、神の如く尊くあらゆる宝石よりも美しい、私の唯一が、すぐそこにいるだなんて!
『ねえ、お姉さまーー王太子殿下って、さぞ素敵な御方なんでしょうね?』
これは、やがて欲しがり妹と姉に言われるようになった私が、本当に欲しいものを見つける物語。
それを手に入れるためなら、私は何でもする。たとえそれが私の身の破滅を招こうともーー
R15 / 残酷な描写あり / 異世界転生 / シリアス / 内政 / 逆行転生 / 欲しがり妹 / 闇堕ち / 胸糞 / 前日譚 / 激重感情 / いずれ性癖の闇鍋化 / クズ王子 / ナレ婚皇子今回も空気
短編
2025/07/03 22:48更新
22,053字 26%
22,053字 26%
日間P
-
総合P
246
ブクマ
13
平均評価
8.8
感想数
2
レビュー
0
評価頻度
192.31%
評価P
220
評価者数
25
週間読者
-
日間イン
0回
ベスト
圏外
最終取得日時:2026/09/27 12:29
※googleにインデックスされているページのみが対象です