歴史[文芸]
掃雲演義
天下に轟く武術の奥義書『太白精典』。その所持者、鬼一法眼が姿を消した。武術界の頂点に君臨し、天下人平清盛も源頼朝もその存在には一目置かざるを得なかった。齢(よわい)は疾(と)うに百を越えているという。時は承久の乱を経て、数年。幾ら鬼一法眼といえども生きてはいられないだろう。
では、一体誰が換わってその座に就くのか。天下を跋扈(ばっこ)する猛者(もさ)たちも女子供のように噂する。
天下第一は鬼一法眼の弟子、鞍馬僧の七人の内、誰かなのか。あるいは比叡山『四身式』の鶴丸なのかもしれない。いや、他にも高野山『三武書』の遍照、愛宕三山『周天廻宝』の半眼居士、大峰山『役三行』の宗憲法印、三井寺『福聚輪』の空尊と名だたる英傑がいる。彼らは各山の奥深くで息をひそめ、天下の趨勢(すうせい)をうかがっているという。
ひょっとすると、彼らとは全く別の、武術界に名を列(つら)ねていない誰かなのもしれない。それならば、平安京を騒がす怪盗、黒覆面の男は外せないだろう。急速に名を挙げて来た若者、鍋倉澄も忘れてはならない。比叡山の『征矢(そや)』、『七歩蛇(しちふじゃ)』の異名を持つ二人の怪物を事もなげ倒してしまった。聖堂門の出であるにもかかわらず念仏門の味方をする狂人にして、竜笛(りゅうてき)の名手。
ただ、忘れてはならないことがある。………『太白精典』。鬼一法眼はその奥義を以て天下に名を轟かせた。その『太白精典』を手に持つ者、まだ見ぬ誰かこそが天下第一ではなかろうかと。
ヒストリカル / 伝奇 / 史実 / 時代小説 / 異能力バトル / 奥義 / 剣術 / 武術 / アクション / 活劇 / 恋愛 / 鎌倉時代 / 通俗歴史小説 / ラブロマンス / ネット小説大賞六感想
全89話完結
2017/05/20 09:00更新
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最終取得日時:2026/10/04 03:03
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