出着点 ~しゅっちゃくてん~
羽澄柚希は器量良し、成績良し、性格良しの完璧人間。
柚希の幼馴染み・廣瀨凌久は、器量良し、成績良し、性格悪しの外見詐欺。
明るく誰からも慕われる柚希と、柚希の前でしか本当の自分をさらけ出さない凌久。
夢に向かってがむしゃらに突き進む柚希の前には数々の困難が立ちはだかる。
それは時に人であり、事故であり、天災であり。
柚希の憧れの存在であるフィギュアスケート界のレジェンド・九条丞。
彼の言葉に、背中に、優しさに救われ、支えられた柚希が苦しみのどん底から這い上がり、新たな夢を全力で掴みに行く第一期。
柚希の甥である羽澄陽葵。
お転婆で可愛い箱入り息子のお坊ちゃまが真剣に挑みたいと初めて感じた世界は明るく華やかに舞う銀板の上であった。
世界一を目指す中で気付いたこと、気付かされたこと、気付かなければならなかったこと、そして気付けなかったこと。
すっかり暗くなっていた世界を陽葵が明るく周囲を照らしつつ、自分を追い求めて成長する第二期。
彼らを取り巻く人々にもそれぞれの境遇、想いがある。
愛が存在するならば、相手を想ってそれを手放す痛みも確かにある。愛をはるかに超えた絆だってある。
全ての決断は、結果は、言葉は、それまでの日々のゴールであり、スタートである。
陽葵の兄弟子・目黒翔哉は師匠の想いも、彼が誰に、どこに、何にしがみついているのかも知ったうえで銀板に乗り続けていた。
そこに現れた陽葵の存在に翔哉が出した決断。それはまさにそれまでのゴールであり、新たな自分になるための始まりの一歩だった。
柚希の、凌久の、丞の、陽葵の、翔哉の……彼らの物語の最期には決まって笑顔と涙が存在する。それもまた、おそらく新たな路へのスタートラインなのだろう。
それぞれが『自分』を探し、『家』を探し、『愛』を探し、『希望』を探す日々の物語。
※以前、読者の方から『良い意味でなろうっぽさ薄目』というコメントをいただきました。ご了承の上、ご覧ください
※R15は一応です。
448,708字 (3137.8字/話) 60%