ヒューマンドラマ[文芸]

悪役令嬢になったのは、ずっと繰り返していたから

公爵令嬢エルヴィア・ラングレイは、王太子ジュリアスから婚約破棄を告げられるたび、十五歳の春へ戻っていた。

一度目は、自分が悪かったのだと思った。

二度目は、伝え方を変えた。

三度目は、王太子を支えようとした。

四度目は、聖女ミリアを責めないようにした。

五度目から先は、泣くことも、怒ることも、黙ることも、証拠を集めることも試した。

けれど何度繰り返しても、最後には同じ夜会で、同じ断罪が始まる。

十度目の人生で、エルヴィアはようやく理解した。

これは、自分が変われば救われる話ではない。

皆が同じ過ちを繰り返すのを、ただ見届けていたのだと。

だから彼女は、最後の断罪劇で、もう誰も変えようとはしなかった。

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短編 2026/04/25 08:00更新
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最終取得日時:2026/08/15 12:12
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