怨嗟に囚われた傷物令嬢は真実の愛に癒されて幸せになります。愛しの旦那様と一緒に帰国しますので元婚約者様は首を洗って待っていてください。
朦朧とする意識で邸に帰ると慌てたが両親が出迎え、わたくしを抱き締めた。憔悴しきった両親に何があったのか聞けば、わたくしがいぬ間に友人達が国外追放になったのだという。
嘘でしょう?いくらなんでも王子の婚約者であるわたくしの友人が国外追放になるほどの罪を犯すわけがない。わたくしを毒殺しようとした令嬢達だって恩情で今もぬくぬくと貴族として生きているのに冤罪で国外追放だなんて馬鹿げている。
しかし何度両親に問いただしても現実は変わらずわたくしはショックのあまり気絶してしまった。
彼女達はわたくしの唯一の支えだったのに。彼女達がいなくなったらわたくしは学園で一人ぼっちになってしまう。嫌よ。そんなのは嫌。
泣き暮れても現実は変わらず、友人達は戻らず、突き放した愚か者達は浮気相手と楽しそうに笑い、わたくしの婚約者はそれを満足げに眺めている。両手にはやはり浮気相手を侍らせご満悦な顔だ。
あなたのお仲間はわたくしの悪評を流し、友人達を苛めていたのに何も知らない顔をして楽しそうに学園を謳歌している。
許せない。わたくしの大切なものを奪ったのになんでそんな平然とした顔をしていられるの?
……ああ、そうか。次はわたくしなのね。衆人環視の中、わたくしのことも冤罪で罰するつもりなんだわ。そうしたらあなたも堂々と浮気相手を正妻の座に座らせられるものね?
王妃様を巻き込んでやってもいない王妃教育を受けたから守秘義務として毒杯を飲めと言うのでしょうね。
フフッとんだ茶番だわ。
いいでしょう。そちらがそうならわたくしにも覚悟があります。まずはこちらから婚約を解消しましょう。どうせ婚約破棄したいんですものこちらから破棄してもよろしいでしょう?
それが叶えばあなた方のお望み通り消えて差し上げますわ。
……ただでは消えませんけどね。
※長い断罪劇です。
※番外編追加しました。(2/23~2/25)
※ゆるふわ設定です。ご了承ください。
※誤字脱字報告ありがとうございます。助かりました。
164,490字 (4699.7字/話) 27%