婚約者である王子に聖女候補の嘘を信じ込まれ、無実のまま拷問を受け、処刑された公爵令嬢。
脳を壊され言葉も思考も奪われながら、ただ一つ――怨みだけが残った。最期に吐き出した呪いの言葉は、王子と聖女候補の運命を静かに狂わせていく。

王命で結ばれ、幼い頃から支え合い、未来を誓ったはずだった二人。だが微々たる魅了と焦りが王子を狂わせ、令嬢を悪へ仕立て上げた。

王が帰国した時、令嬢はすでに処刑済み。調査により冤罪が判明し、国中に激震が走る。

やがて王子と聖女候補は奇妙な病に倒れ、夜毎に現れる拷問姿の令嬢の亡霊に怯える。
これは、死してなお消えない怨嗟が王国を蝕む物語――。