ローファンタジー[ファンタジー]

平和を望んだ少女は、戦争へ進む。 〜敗戦国の再建を目指した少女の誤算〜

戦争を止めることはできても、戦争そのものをなくすことはできなかった。

国際機関の外交官だった私は、紛争地域で何度も停戦交渉をまとめてきた。だが、その和平は政治家や各国の思惑によって何度も破られ、多くの命が失われた。

最後の任務は、停戦直後の避難民救出だった。

「停戦が発表されたけど何処まで信用できるか?」

そう痛感した私は、砲撃から子どもたちをかばい、その命を落とす。

そして目を覚ますと、私は大戦に敗れた帝国の伯爵令嬢になっていた。

莫大な賠償金、失われた領土、崩壊した経済、街にあふれる失業者と元兵士――国は未来を失っていた。

「今度こそ、戦争を起こさない国を作る。」

その決意のもと、少女は没落した伯爵家の領地再建に乗り出す。

失業者を雇い、道路を整備し、橋を架け、学校を建て、工場を興し、鉄道と通信網を整える。

すべては国民が安心して暮らせる平和な国家を築くためだった。

しかし、平和のために築いた道路は軍の進軍路となり、鉄道は兵站を支え、工場は軍需産業へと転用されていく。

周辺国は復興する敗戦国を「再び戦争を始めようとしている」と警戒し、経済制裁と軍事的圧力を強める。一方、国内では軍部や強硬派が勢力を増し、主人公の命令は次第に「国家の総意」として独り歩きを始めていく。

「私は戦争なんて望んでいない!」

その叫びは、誰にも届かない。

平和を守るための改革は、皮肉にも国家を戦争のできる国へと変えていく。そして少女は何度も、「ここで譲れば国が滅ぶ」という究極の選択を迫られる。

これは、戦争を望まなかった一人の少女が、国家を守るために戦争への道を歩まざるを得なくなる物語。

善意、恐怖、誤解、そして国家という巨大な仕組みが交錯するとき、平和はなぜ失われるのか。

これは、敗戦国の再建から始まる、一人の少女と一つの国家の物語である。

異世界転生 / シリアス / 女主人公 / 西洋 / 近代 / 内政 / ミリタリー / 日常 / パラレルワールド / 戦記 / 外交 / 国家 / 運営 / 再建 / 政治
全304話連載中 2026/09/27 18:52更新
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最終取得日時:2026/09/28 12:10
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