現実世界[恋愛]

女の子に転生した俺の高校の担任教師になったのは、前世で付き合っていた幼馴染だった!?

「香代子(かよこ)、す、好きだ! 俺と付き合ってくれ!」

 中学一年生の夏休み前日。
 俺は誰もいない校舎裏で、幼馴染の香代子に遂に告白した。
 だが、香代子からの返事は――。

「……嬉しい。私も、隆二(りゅうじ)が好き!」

 そう言いながら香代子は、俺にギュッと抱きついてきたのである。
 うおおおおおおおお!!!!
 よっしゃあああああああ!!!!

「その代わり、一生私の側にいてね」
「ああ、もちろんだよ」

 俺は誓いを立てるように、香代子を抱きしめ返した。
 今日は人生最高の日だ――。



 ――だが、この幸せは長くは続かなかった。
 ある日香代子と二人で横断歩道を渡っていると、居眠り運転のトラックに轢かれてしまった俺。

「い、いやあああ、隆二いいい!!!」

 息ができない……。
 目が霞む……。
 俺、死ぬのか……。
 その時だった。
 眩いばかりの光が、俺の全身を包んでいった。
 嗚呼、なんて心地いいんだろう……。
 これが、天からの迎えってやつか……。






「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあっ」

 …………ん?
 赤ちゃんの泣き声?

「おめでとうございます。元気な女の子ですよ」
「ああ、可愛い……! ふふ、まだこんなにちっちゃいんですね」
 っ!?
 見知らぬ美女に抱かれている俺。
 誰!?!?

「おぎゃあ、おんっぎゃあ」
「ふふ、生まれたばかりなのに、本当に元気ね」

 あっ、この泣き声、俺が出してるんだ……。
 ……どうやら俺は、今流行りの転生というものをしてしまったらしい。
 ――しかも女の子として。



 ――そして十五年の月日が流れた。

「……ハァ」

 雛元真美(ひなもとまみ)としての二度目の人生。
 俺は今、高校の入学式を終え、教室で担任教師の到着を待っていた。
 前世では送れなかった高校生活が今日から始まるかと思うと、感慨深いものがある一方で、どうしても香代子のことを考えてしまう。

「入学おめでとうございます、みなさん」
「――!!」

 その時だった。
 担任教師と思われるスーツ姿の女性が、颯爽と教室に入って来た。
 その顔を見た瞬間、俺は絶句した――。

「私が今日からみなさんの担任になる、沼田(ぬまた)香代子です」

 それは大人の女に成長した、香代子その人だった。
 えーーー!?!?!?

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短編 2023/08/18 21:08更新
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最終取得日時:2024/05/03 12:27
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