ローファンタジー[ファンタジー]

異世界だと分かっていたのでしょう?




 私はある日突然、知らない世界に居た。

 ここでは私のような異世界人を“渡り人“と呼ぶそうだ。
 この国の王都にある神殿の森に突然現れた私に、神官の人はそう言った。
 
 それからあれよあれよという間に、私の年代の人々が集う学院に入ってこの国(世界)の勉強をする事になった。

 そして、私は気付いた。

 これってよくある乙女ゲームみたいじゃない?

 現に私の周りには、この国の第二王子様と、軍団長の息子と、公爵家の次男が居て、何かとチヤホヤしてくれる。綺麗なドレスや美しい装飾品など様々な物を贈ってくれるの。

 それに神殿の人も言ってたけど、過去に現れた聖女も全員“渡り人“だったらしいし、もしかしたら私も聖女なのかも!?

 だったら、このまま王子様と結婚する事も可能なんじゃない?


 でもよくある悪役令嬢によるイジメとかはなかったから、あれ?とは思ったの。王子様の婚約者さんとも、何故か仲良くお茶会なんてしてたりもしたし。
 まあ、イジメられるのも困るし、冤罪なんかを作ってざまぁされるのも困るから、とりあえず静観してたんだけど。
 
 そしたら昨日王子様に「君を僕のものにしたいから、女王陛下に謁見の申請をしたんだ。明日、一緒に王宮に来てもらえるかい?」って言われたのよーっ!!

 これって、やっぱり、そうだよね!?


 うふふ、別に王子妃とかじゃなくていいんだー。
 だってマナーとかは出来ないし。
 こんな素敵な王子様と一緒にいられるだけで、儲けもんでしょ。
 逆に愛妾とかの方が、働かなくても良さそうで、楽そうじゃん。


 とりあえず女王様に気に入ってもらえるようにしなきゃね。

 王宮に上がる時のドレスとかも、王子様が用意してくれたし、朝からメイドさん達に磨かれて、綺麗になったし。

 さ、気合い入れて、行きますか!!


────────

 が、世の中そんなに甘くはない。
 そんな異世界転移してしまった少女への一幕。


異世界転移 / 乙女ゲーム / 聖女
短編 2022/01/10 00:00更新
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最終取得日時:2026/08/21 01:06
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