ローソルト大陸にある緑豊かな小国カザールは、聖女の祈りが張る結界に守られ、魔物の脅威から平穏を保っていた。現聖女ヒーラギ・サヘーラは十年間、その役目を果たし、民からも深く敬愛されていた。

しかし、異界から突如現れた美しい少女アリカが、ヒーラギと同じ癒しの力を持つことが判明する。王子ローザンはアリカを「新たな聖女」として迎え入れる決定を下すと同時に、ヒーラギとの婚約破棄を宣言。さらに聖女の座からも彼女を追放してしまう。

すべてを失い舞踏会を後にしたヒーラギは、自分の運命を受け入れながらも、心の奥底で強く誓った。
「私は必要ないと言うのなら、これからは私のために自由に生きます！」

聖女の名を捨てた彼女の新たな旅が今、始まる。


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