「僕は男だ！」その叫びは、数万人の歓声とSNSの拡散にかき消された。

登録者50万人を誇る人気音楽系配信ユニット『トリコロール・パレット』。
彼女たちを支える裏方の凪（なぎ）には、致命的な秘密があった。
それは、自身のコンプレックスである「女のような声」を加工し、楽曲のガイドボーカルをすべて自分で歌っていること。

ある日、世界最大級のフェスから出演オファーが届く。
しかし当日、リーダーのリリカが足を負傷し、出演が危うくなる。

「代役、います。ここに」

指差されたのは、よりにもよって裏方の凪だった。
「メイクしてウィッグを被ればバレません！」
「凪さんの声なら、キーもそのままでいけます！」
逃げ場はない。拒否権もない。

これは、六畳一間に引きこもっていた天才が、三人の共犯者によって華やかなステージへ引きずり出され、「伝説の歌姫」として既成事実を作られてしまうまでの物語。

※当作品はAIを校正に利用しています。