異世界[恋愛]
夫が愛人を正妻にするそうなので、十年尽くした宰相夫人を辞めます
引き継ぎ資料は三冊。十年分の仕事が、それだけに収まった。
宰相夫人として費やした十年間に、夫から感謝の言葉は一度もなかった。外交文書の翻訳も、夜会の段取りも、領地の帳簿も。すべて当たり前のように消費された。
夫が愛人を正妻にすると告げた夜、ナディアは泣かなかった。離縁届は二週間前に提出済みです、と微笑んだ。引き継ぎ資料の場所を告げ、宰相府を去った。
前世の記憶を持つ彼女は、この結末をとうに知っていた。一度目の人生では、縋って捨てられ、冬の路地で息絶えた。二度目の今回は、七年かけて静かに退路を整えた。
向かった先は、南の港町。小さな貿易商会を開いた彼女のもとに、ひとりの男が現れる。無口で不器用な護衛は、毎朝なぜか好みの茶菓子を届けてくる。
妻を失った宰相府では、誰にも回せない仕事が音を立てて崩れ始めていた。
道端で見つけたという冬の花は、本当にそこに咲いていたのだろうか。
女主人公 / ハッピーエンド / 年の差 / 異世界恋愛 / ざまぁ / 離縁 / 溺愛
全20話完結
2026/04/29 18:47更新
56,671字 (2833.6字/話) 26%
56,671字 (2833.6字/話) 26%
日間P
1,566
総合P
3,102
ブクマ
207
平均評価
8.43
感想数
0
レビュー
0
評価頻度
154.11%
評価P
2,688
評価者数
319
週間読者
-
日間イン
3回
ベスト
24位
最終取得日時:2026/04/30 12:05
※googleにインデックスされているページのみが対象です