ヒューマンドラマ[文芸]
追放された貴族令嬢の三日間サバイバル生活
「こんなところで暮らせと言うの……?」
ブリジットの声が絶望で震える。まだ18歳の乙女である。ヘンリー王子の婚約者として厳しい貴族教育を受け続け、遊びたい盛りの時期でさえも自分を律してきた。その最期を、ここで迎えろというのか。それが王子と親が望んだ末路だと?
「……終わりですわね。こんな何も無い土地で、醜く生にしがみつくくらいなら、せめて潔く自らの手で幕引きを」
護身用として与えられたナイフが、護るべき対象の喉へ突き立てられる寸前。
従者の手が、ブリジットの手を握り締めていた。
「……無礼者。その手を離しなさい」
無口な従者の手は動かない。何も語らず、説得もしない。ただ自決する手を止めている。
「どうして止めますの?私が死ねば、貴方はもう自由の身なのよ。こんな意地悪なご主人様の事なんて忘れて、さっさと何処へでも行きなさい」
傲慢不遜な態度で従者を見下すが、目の前で光る刃先と動かせない両手が、絶望によって固められていたはずの決意を、ほんの僅かだが揺らした。
……その揺らぎは彼女自身の手にも伝染し、喉へ突き立てるだけの力を奪った。
「……わかりました。そんなに私を止めたいのでしたら、三日間だけ時間を差し上げます。三日間で、私が生きたいと思える希望を、僅かでも与えてご覧なさい」
R15 / 残酷な描写あり / シリアス / ダーク / 悪役令嬢
短編
2026/04/29 07:10更新
15,574字 58%
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最終取得日時:2026/04/30 12:05
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