公爵令嬢レティシアは、王国の大公エリアスに一目惚れし、幾度となく想いを伝えてきた。
　けれど、ある夜___不思議な魔導書に導かれ、前世の記憶を取り戻す。
　その記憶を思い出した瞬間、レティシアは自分の恋を手放した。

　「あんな男を好きだったなんて、バカみたい……」

　そして同時に、心の奥に問いが生まれる。

　「若くして病に倒れた前世……最期の時まで、私を愛し続けてくれたのは、もしかして……彼？本当の“彼”は……」


　レティシアが恋を手放した瞬間から、エリアスの様子はおかしくなり始める。
　「俺たちは愛し合っていたはずだ、……そうだろう？」

　執着の影を滲ませながら、彼はレティシアに迫る。

　一方で、魔導書をきっかけに出会った第二王子リオンは、優しく手を差し伸べてくれた。
　「無理はしなくていい。……君は君のままでいてほしいから」

前世と今世、二つの想いが交錯する中、レティシアの心が選ぶのは＿＿＿＿。


＊本編のパラレルワールド設定の短編もございます。
未読でも本編に影響はありません。
興味ある方は覗いてもらえると嬉しいです。
＊タグのヤンデレは予定です