異世界[恋愛]
鐘を撞くだけの仕事だったので追放されましたが、なぜか城の時計が全部狂い始めて私を探しているそうです
五年間、城の鐘楼でひとりきり鐘を撞き続けた。 朝六時。正午。夕方六時。一日も休まず、五千回以上。
ある日、財務管理官に告げられた。 鐘撞きの人件費は自動鐘の導入費用の三年分に相当する。この数字を覆す根拠はあるか。 なかった。だから追放された。婚約も解消された。
路銀が尽きた港町で、時計工房の求人を見つける。 雇い主は何も聞かなかった。なぜ城を辞めたのか。なぜここにいるのか。 ただ一言、時間に正確な人間なら他には何も要らないと言った。
工房の片隅に、布をかけられた小さな鐘があった。
その鐘を撞いた瞬間、工房中の時計が一斉に同じ時刻を指した。 何十もの針が寸分の狂いもなく揃った。 雇い主は息を呑んだまま一言も発さなかった。
城では誰も気づかなかった。 この手が鐘を撞くと時計が揃うことに。 追放されて初めて、鐘の音を聞いている人が目の前にいた。
けれどこの雇い主は、何かを隠している。
女主人公 / 魔法 / ハッピーエンド / 追放 / ざまぁ / 西洋風 / 恋愛 / じれじれ / 職人 / 成り上がり
全10話完結
2026/03/08 12:51更新
32,921字 (3292.1字/話) 37%
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最終取得日時:2026/09/02 12:18
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