ケルミー公爵家のリアナは令嬢でありながら「下賎な血の流れる半端者」として家族に虐げられて育った。

そんなリアナは錬金術師となったものの、決して多くは望まなかった。

実家を離れてこのまま錬金術師として働きながら、将来は小さな家で愛する人と静かに暮らせたらいいと思っていた。

しかしある日、リアナは婚約者のクライスから婚約破棄を言い渡されてしまった。

理由は「リアナは詐欺師で偽錬金術師だから」だそうで、しかも職場の後輩であるカトレアと結婚すると言う。

挙句、上司に理不尽な物言いをされ、リアナは職場から追い出されてしまった。

「静かに暮らせたら幸せだって思っていたのに、そんなことも叶わないなんて……」

途方に暮れるリアナだったが、そんな時、第一王子のアクセルから直属の錬金術師にならないかと誘いを受ける。

これは実力を正当に評価してくれる王子の元で、錬金術師の少女が幸せになる話。