伯爵家の長女エマは、「魔力なし」の落ちこぼれ。
対して二つ下の妹・ルナは、稀代の「治癒魔法」の使い手として、両親や国中から愛されていた。
エマの婚約者である騎士団長のアレクもまた、会えば必ずルナの頭を撫で、優しく微笑みかける。
「妹が愛されるのは当然だ」と諦め、婚約解消の準備を進めるエマ。
しかしある日、アレクがルナの頭を撫でる「本当の理由」を知った時、エマの止まっていた時間が動き出す。
不器用な姉妹と、もっと不器用な騎士の、優しい愛の物語。