現実世界[恋愛]

中川さんは恋占いなんか信じない

「続きましてスポーツです。ついにショータニがやりました。日米通算──」

 とある朝。
 食パンを齧りながら、ぼんやりとニュースを眺める。
 だが別に、ニュース自体に興味があるわけではない。
 今時ニュースなんて、SNSのタイムラインを見てれば事足りる。
 それより俺が見たいのは――。

「それでは占いのコーナーです」

 キタ!
 俺の目当てはこの、占いコーナーだ。
 ふむ、牡羊座の俺は八位か。
 まあ、俺の順位はどうでもいいんだ。

「六位、乙女座。中途半端はやめて大胆にいきましょう。ラッキーアイテムは中華料理のぬいぐるみです」

 よし、確認完了。
 乙女座は六位ね。
 俺はパンの最後の一切れを飲み込み、「行ってきまーす」と声を上げて家を出た。



「うんしょ、うんしょ」
「――!」

 十字路の手前で、大きなぬいぐるみを抱えた女の子の背中が見えた。
 ――クラスメイトの中川さゆりさんだ。

「おはよう、中川さん」

 急いで駆け寄り、中川さんの隣に並ぶ。

「おはよ、勇君」

 素っ気なくも挨拶を返してくれる中川さんは、今日も可愛い。
 サラサラの長い黒髪に、小動物を彷彿とさせる小柄な体型。
 見ているだけで癒される。

「中川さん、その〜……小籠包かな、それは?」

 クッションほどの大きさがある、小籠包の形をしたぬいぐるみ。
 よくそんなの持ってたね?

「別に」

 頬を桃色に染めながら、そっぽを向く中川さん。
 まるでツンデレな子猫みたいだ。
 いとおかし。


※コラボ作品です。
【原案】しいたけ
【文】間咲正樹

じれじれ/高校生 / ツンデレ / ハッピーエンド / 青春/短編/日常 / 男主人公/一人称 / ライトノベル / 現実世界恋愛小説 / エンターテイメント / ほのぼの/コメディー / ショートショート / ラブコメ/純愛 / 美少女/女子高生 / 現代(モダン) / 学園/学校/学生 / スクールラブ
短編 2024/05/24 21:01更新
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最終取得日時:2024/12/26 12:18
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