ホラー[文芸]
悪役令嬢になったのは、ずっと名前を呼ばれなかったから
リディアーヌ・オルヴェインは、オルヴェイン公爵家の長女だった。
父からは「長女」と呼ばれ、母からは「お姉様」と呼ばれ、使用人からは「お嬢様」と呼ばれた。
婚約者である王太子もまた、彼女を名前では呼ばなかった。
それでも彼女は、不満を口にしなかった。
家のため。
妹や弟のため。
王太子のため。
未来の王太子妃として、求められる役割を果たし続けた。
けれど、呼ばれない名前は、少しずつ遠くなっていく。
日記の文字。
古い刺繍。
王宮の記録。
そこにあったはずのものが、静かに薄れていく。
そして卒業記念舞踏会の夜。
王太子から婚約破棄を告げられた彼女は、最後に一つだけ願う。
「わたくしの名前を、呼んでくださいませ」
これは、名前ではなく役割だけで呼ばれ続けた令嬢の、静かな終わりの物語。
悪役令嬢 / 婚約破棄 / 断罪 / ホラー / 貴族令嬢 / 名前喪失 / 役割 / 家族 / 王太子 / 聖女候補 / 公爵令嬢 / 後味悪め / 怪異化 / 人格消失 / ダーク幻想
短編
2026/04/28 12:00更新
11,722字 17%
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最終取得日時:2026/04/30 12:05
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