ヒューマンドラマ[文芸]

別れ道 (婚約破棄は計画的に!) 

「クロエよ。俺は貴様との婚約は破棄して、愛しいサブレーヌと結婚する。その時になれば、この邸から即刻立ち去って貰うぞ!」

婚約破棄を叫んでいるのは、伯爵令息のリンゼール・ガルダ。彼の最愛は、クロエの義妹のサブレーヌだと言う。

リンゼールとクロエは、親同士が決めた利害が絡む政略結婚の相手だった。

クロエ・クラウテンは格上の侯爵令嬢であったが、父親の無理な商会経営は多大な悪化を辿り、侯爵家は借金まみれであった。

クロエの母、ダブリエは病で寝込んでいたが、彼女が12才の時に逝去した。

亡くなる前に、形見のロザリオをクロエに首にかけて囁く。

「クロエ、弱い母を許して。
一人残された貴女は、きっとたくさんの困難が待ち受けているでしょう。でも私(わたくし)はずっと見守っていますよ。貴女が幸せになれるように。
だから諦めずに頑張るのですよ。
そして何を奪われても貴族としての誇りを守り、毅然としていなさい。
奪われてはいけないのは、そのロザリオだけ。
必ず味方は現れます。
残念ながらレンバック、貴女の父は信用に値しません。
こんな場所に残していって、ごめんね。

愛しているわ。私のクロエ……………………」



ダブリエは最期の時まで娘を心配していた。
夫であるレンバックは、ダブリエに全てを頼り遊び歩いていた。だが彼の言い分は勝手なものだった。

「妻は何にでも口を出して、俺を否定するんだ。だからもう、俺は妻の好きなようにさせてやってるんだ。その分少し、好きなようにさせて貰ってるけどな。はははっ」 

レンバックの回りには彼にたかって遊ぶ悪い者が多く、彼はそれに気づかず煽てられて散財していた。

ダブリエは口出しではなく、詐欺や無謀な投資を止めるように注意しただけだ。レンバックのせいで今まであった侯爵家の蓄えは減り、彼女は知人から借金をしたが財政は火の車だった。

何とか伝手を辿り、やりくりをしていたダブリエが病に倒れ、それに目をつけたのがガルダ伯爵家。リンゼールの父親マイルだった。

マイルは息子のリンゼールを婿に入れ、借金を支払うことで逆らえなくし侯爵家を乗っ取ろうとしていた。

(R7、5月~カクヨムさん、アルファポリスさんにも載せています)

侯爵 / 侯爵令嬢 / 義母 / 義妹 / 伯爵 / 伯爵令息 / 兄 / 兄妹 / 策略
短編 2024/10/17 19:11更新
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最終取得日時:2026/09/05 12:40
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