不遇の真ん中令嬢にございますが、今宵、英雄殿下のお妃に選ばれました。
トリスタニア王国にある『パレス・バルモア』にて、実にきらびやかな夜会が催されている。
国王の名代たる王太子オスカーは、声高らかに婚約者ロクサーヌ・ウィンクス侯爵令嬢への婚約破棄を宣言した。
『あれ? これって』
王女エヴァンジェリンの『学友兼公式代筆人』のアナベル・ウィンクスは、ここが前世で読んだヒストリカルロマンス、『聖星節にラストワルツを』の世界だと思い出す。
『星ラス』のでおなじみの本作にて、アナベルの役どころは名前だけのモブ令嬢。
ピンク髪の定番ヒロインを抱く王太子から、冤罪で追放されかけた『麗しき悪役令嬢』が、『英雄殿下』の異名を持つヒーローと結ばれる。
かと思いきや、アナベルの目の前で姉のロクサーヌが、正義を重んじるはずの騎士団によって連行されてしまう。
まさかの展開に立ち尽くすアナベルの前に、ロマンスのヒーローが遅ればせながら登場する。
『国王陛下の勅命で、そなたを廃嫡とする』
この流れは、原作準拠。それでは一体なぜ、『英雄殿下』は『麗しき悪役令嬢』を見捨てたのか。
どよめきの余韻が残る大広間で、予想外の言葉が発せられる。
『オスカーに代わり、私が新たに立太子する。さらに、ウィンクス侯爵家のアナベル嬢を妃に迎えよう』
英雄殿下の宣誓を受け、みんなの注目の的となったアナベル。
『そんなバグ。聞いてないわよ』
世間で『不遇の真ん中令嬢』と称されるばかりか、実年齢より幼い見た目のアナベルは、果たして英雄殿下のお妃がつとまるのだろうか?
やがて、『英雄殿下』が『不遇の真ん中令嬢』を、お妃に選んだ理由が明かされる。
すれ違い気味の二人だが、苦難を乗り越えて結ばれるまでの物語である。
※アルファポリス版は完結しました。
現在、なろう版を改稿中です。
アナベルの実年齢は高校生くらいです。でも、中学生の年齢に間違えられるような容姿をしています。
85,040字 (1232.5字/話) 38%