異世界[恋愛]

敗北令嬢の立ち居振る舞い

 ベアトリス・ナミュールは敗者だ。

 王太子の婚約発表の夜会にて。アデルバートは、マリー・ベルティエという子爵令嬢を連れていた。

「ねえ、知ってる? あのマリーって子、ベアトリス侯爵令嬢が付き従えてた令嬢なんでしょ?」
「じゃあ、自分の連れに抜け駆けされちゃったってこと?」
「最初の頃はベアトリス様が婚約者になる予定だ、なんて言われてたのにね」

 まさしく、婚約者を奪われた敗北令嬢として。
 ベアトリスは社交界の場で後ろ指をさされていた。

 だが、それでもなお。
 ベアトリスは、凛と立ち。堂々と、真っ直ぐに前を見据えていた。

 それは、ベアトリスが「未だなに一つ諦めていない」からであり。
 同時に。それこそが「敗者」の在るべき姿である、と。

 ――勝者には、花道があって然るべきだ。

 これは、ベアトリス・ナミュールという敗北令嬢の。
 矜持と信念による、立ち居振る舞いである。

HJ大賞7 / BWK大賞1 / BK小説大賞2 / 集英社小説大賞7 / 第2回ルフナ大賞
全35話完結 2025/07/30 19:45更新
114,263字 (3264.7字/話) 36%
日間P
-
総合P
192
ブクマ
32
平均評価
9.14
感想数
0
レビュー
0
評価頻度
43.75%
評価P
128
評価者数
14
週間読者
-
日間イン
0回
ベスト
圏外
最終取得日時:2026/10/12 12:32
※googleにインデックスされているページのみが対象です