ヒューマンドラマ[文芸]

後輩の女医を喜ばせるために結婚式を延期した彼。私は彼の犬猿の仲の医師と結婚した

 三浦圭吾とは十五年来の付き合いで、恋人同士になってから七年になる。

 花守中央総合病院の同僚たちは、私たちが今月結婚式を挙げる予定だったことを知っている。そして、圭吾にやけに懐いている若い女医、小野寺莉奈のことも。

 莉奈をめぐって、私たちは何度も喧嘩した。そのたびに折れるのは私で、温かいスープを持って圭吾に会いに行けば、いつの間にか仲直りしたことになっていた。

「美月さん、誤解しないでくださいね。圭吾先輩とは、ちょっと仲がいいだけですから」

 医局の休憩室で、莉奈は圭吾の白衣を羽織り、彼の肩にもたれて笑っていた。

 圭吾は彼女のためにみかんを剥き、白い筋まで丁寧に取り除いている。

 結婚式まで、あと十日。

 それなのに圭吾は、莉奈との賭けに乗って、式を一か月延期すると一方的に言い出した。

 私はバッグからマンションの鍵を取り出し、テーブルに置いた。

 圭吾はまだ知らない。

 数時間前、私は久世彰人と市役所に婚姻届を提出していた。

 久世彰人は、同じ病院の脳神経外科医。

 圭吾が昔から、何かにつけて張り合っている相手だった。

シリアス / 女主人公 / 現代 / ざまぁ / 浮気男 / すれ違い / 婚約破棄 / 恋愛
短編 2026/10/15 12:21更新
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最終取得日時:2026/10/21 12:05
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