現実世界[恋愛]

氷雨

 "……こちらでは今、雨が降っています。
 私の涙のように冷たい雨です。

 氷雨が何もかもを流して、浄化してくれることを祈るばかりの夜です……"

 そこまで書いて、私はしたためる手を止めた。
 あの人はこんなメールを読んでどう思うだろうか。
 それすらもわからずに、私は益々暗澹たる気分になる……。

 冬の氷雨が私のこの熱い想いを、心を冷まして流して欲しいと祈るばかりの私に、また長い長い時を超える深い静寂(しじま)の夜が来る……。

日常 / 青春 / シリアス / 女主人公 / 現代 / 雨 / 懊悩 / 三角関係 / プラトニック / ネトコン12感想
短編 2022/03/01 00:22更新
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最終取得日時:2025/02/04 01:06
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