孤児で平民のさぎりは、公爵位を持つ萩恒家でメイドをしている。

狐火の異能を持つ萩恒家は、４年前に襲撃に遭った。
生き残ったのは、当時１８歳の嫡男・崇史と、３歳の姪・希海だけ。

それから４年間、さぎりは体中に火傷痕を作りながら、希海を育ててきた。
献身的なさぎりに、崇史は心を奪われ、熱烈にアプローチをするも、さぎりは身分差と火傷痕を理由にためらう。

しかし、希海が７歳になり、狐火を操れるようになったところで、当主・崇史の代理をしていた彼の叔父に、さぎりは萩恒家を身一つで追い出されてしまった。

火傷痕が醜いさぎりを、崇史と希海の近くに置いておけないというのだ。

萩恒家にいた子狐一匹を連れ、ふらふらとその場を立ち去ったさぎり。
火傷痕のせいで再就職も上手くいかない中、途方にくれる彼女と子狐に、手を差し伸べた人が居た。

一方、さぎりと希海が家を出たと知った萩恒家の当主の崇史は……？

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