双子の弟ばかり可愛がられる家庭で育った女子高生アヤカは、弟のシュウジと共に部屋に開いた穴の中に落ちてしまう。落ちた先は異世界で弟は世界を救う「聖人」だった。「聖人」に仇を成す存在として神殿を追い出されたアヤカは日本に帰ろうと奮闘する。とはいえ、先立つものは必要で……仕事を求めて異世界の職業斡旋所を訪れたものの、求人票に騙され、労働環境が最悪の騎士団で働くことになってしまう。この世界には定期的に「赤い夜」という現象が起こり、その日は魔物が大量に湧いて人々を脅かす。騎士団で頭角を現し始めたアヤカは、ある事件に巻き込まれ自分の中に常人離れした力があることに気づく。アヤカとシュウジは二人とも聖人だったのだ。アヤカの力が欲しい騎士団、手のひらを返す神殿。その間にも「赤い夜」は迫り、アヤカとシュウジは魔物に対峙することになる。なんとか魔物を撃退することに成功した二人だが、日本へ帰る日が近づいていた。迷った末、アヤカは異世界に残りたいと願う。

※靴下がクサイ、よれよれの服を着ている、人前で尻を掻く。これは、そんな残念女子アヤカが騎士団で居場所を見つけたり、我儘な弟に頭を悩ませたり、生まれて初めての恋を経験したりするお話です。