美貌の宰相様が探し求める女性は元気いっぱいの野太い声の持ち主らしい……それ私かもしれない
アマリア・セーブルズ伯爵令嬢は、今をときめく宰相、サミュエル・ドーム公爵閣下の秘書として、王城の文官勤めをする20歳の独身女性。
「喪に服しているの?」と訊かれるくらいお堅く地味な格好をしているのだが、それでも「宰相の愛人では」と陰口を叩かれている。
(それもこれも閣下が妻どころか恋人さえ作らないからいけないのよ!!)
サミュエルが超美形で非常にモテるが、女性に対しては冷たい態度を取る為に「氷の貴公子」と呼ばれる存在なのもその一因だ。
ある日、失礼な男から「俺の愛人にもなれ」と迫られたアマリアはその男を一本背負いで投げ飛ばす。
「えーい! どっせい!」
ところが姿を見ずにその声だけを聞いたサミュエルが恋に落ちた!?
「ああ……あの力強い声。きっと俺の理想の女性だ……」
(くっ、キラキラが眩しい!! ……っていうか、多分それ私の事じゃ……!?)
過去のトラウマから、キラキラ美形に恋をしたくないアマリア。彼女は優秀な宰相閣下に正体をバレずにやりすごせるのだろうか!?
腹黒だけど、実は石橋を叩きすぎて割るほど慎重でウブな閣下と、数々の不幸に見舞われつつもどっせいの鍛練マインドで乗りきってきた苦労人ヒロインが織り成す、すれ違い勘違いじれじれラブコメ。ハッピーエンドです♪
※短編コメディー「ズルいお姉様被害者の会」の、その後のお話(本作の主人公は短編では脇役だった人物)です。前作を読んでいなくてもお楽しみ頂けます。
※長岡更紗様主催「イセコイ冒頭ミュージアム #イセミュ」参加作品です。皆様のお陰で三位を頂けました。ありがとうございます!
※第12回ネット小説大賞(通称ネトコン)にて、公式様に感想を頂きました&二次選考通過しました!!ありがとうございます!!
※2025/1/23 兄・アイルトンのサイドストーリーの公開を始めました。よろしくお願いいたします。
180,749字 (2963.1字/話) 55%