親が再婚した相手の連れ子が俺の幼馴染だったんだけど、実は既に付き合っている上に初日から迫ってくるのが困る。
俺、春日春樹(かすがはるき)は今高二で来年は高三になる、まあ普通の高校生だ。
ただ、少しだけ普通と違うとしたら男手一つで育てられて、その親父が再婚するということだ。
親父には感謝しているし、再婚する事に異議はない。
ただ、何か嫌な予感はしていたんだ。だって、親父と俺の幼馴染である冬川冬子(ふゆかわふゆこ)のお母さん
である時子さんが何やら懇意にしていることを知っていたから。
嫌な予感は的中。
「再婚相手は時子さんなんだ」
冬こと冬子の母親であり女手一つで彼女を育てた時子さん。
男一人で子どもを育てるのは大変だろうということで時子さんには
よく面倒を見てもらった。だからそれはいいんだけど、俺、つい最近、冬と付き合い始めたんだよな。
連れ子同士は血縁関係はないし、モラル的には問題ない……はず。
ただ、恋人になったと思ったらいきなり同居生活だし、親父や時子さんには言いづらい。
そんな気も知らず、冬はいきなりの同居にテンション最高潮。
同居初日の夜に冬が覚悟完了した表情で俺の部屋に尋ねて来たのだけど。
つまるところ一線を超える覚悟を決めて来たらしい。
といっても俺たちはまだキスもしていないわけで、ちょっといきなり過ぎる。
それに、親父たちにバレたらどうなるかという不安だってある。
しかし、誘惑には勝てず俺は色々してしまった。
翌朝にどうなったかといえば。
「冬ちゃんの部屋をノックしても返事がないのだけど。心配だから部屋に入ってみても居ないし。朝からどこか出かけてるのかしら?」
隣に冬が寝てるところに義理の母親である時子さんがやってきた。
しかも誤魔化そうとしても時子さんの巧みな誘導尋問で追い詰められていく。
一体どうすればいいんだ?
これは再婚した親の連れ子同士の、一夜と翌朝のドタバタラブコメディ。
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