売られた村娘が黒伯爵の正妻になるまで
【共通恋愛プロット企画】
日照り続きで実りが危ぶまれる村に住むマリーが、村はずれの子だくさんの家に食料を届けて帰る途中、木陰で隣の領地をおさめるハウイット伯の黒い噂を耳にする。
帰宅すると、税の見直しを求めて領主のノーイック伯へと訴えに行った村長の父親が帰っていた。突如、父はマリーに土下座し、謝罪した上で語り出す。
領主との談判は平行でまとまらない。それを見ていたハウイット伯が、増税分を請け負う旨を申し出た。しかし、そこで提示された条件は、金を払う代わりにマリーを妾として差し出せというものだった。
すでにお金は支払われており、マリーに逃れる道はない。受け入れるマリーに、父は地に額をこすりつけ謝るのだった。
翌日、迎えの馬車が到着し、マリーは隣の領主の元へと嫁いでいった。
ハウイット領の屋敷につくなり、迎えに来たルットという家令に、礼拝室へと連れられて行く。そこで、マリーは一人で妾になる誓いを立てさせられた。ルットは領主の代わりに、彼女に指輪をはめる。
妾とはこんなものかとマリーは悲しくなるのだった。
さらに、マリーはハウイット領が、ノーイック領よりも豊かであることに気づかされる。その訳を知りたくて、ルットの了解を得て、領地の視察に馬を走らせる。
ノーイック領の状況と比べると、ハウイット領はずっと豊かだった。マリーはショックを受ける。
同時に、広い屋敷をルット一人で切り盛りしていることに疑念を抱き始める。
帰宅したマリーが風呂につかっていると脱衣所から物音がした。扉を少し開き覗くと、そこでは小さな女の子が働いていた。
マリーはその子がなぜここにいるのか確かめるために、ルットの約束を破り、地下へと向かう。そこで、マリーはノーイック領の子どもたちがここにいる理由を知ることになった。
そして、ノーイック領の現状を打破するために、ハウイット領の妾になった立場を利用し、ノーイック領の領主の元へ直談判に行くことを決意するのだった。
・家令と名乗り立場を偽る領主×出自を知らない村娘(伯爵令嬢)
※この小説は、共通恋愛プロット企画参加作品です。他者提供のプロットを元に執筆した作品になります。プロット提供者は著作権を放棄しており、公募などに応募可能となっております。
※プロット提供者:遥彼方様
(執筆期間:2022年6月11日~2022年7月2日:(C)礼)
45,935字 (2296.8字/話) 28%